英語猫

本以外を読むために、本を読む

sesquicentennial(150周年)について延々と考察してみる

id:Britty さんの記事で以前書いた記事
英検1級前後レベルの単語帳7冊と順序(素案) - 読書猫
が言及されたようです。

sesquicentennial(150周年の、150年祭の)を日常であまり見ないね、とのことですが、

sesquicentennial(nは2つ重なるので注意)は、ニューヨークのハーレムにある美術館で見ました。
当時展示されていた画家の150周年記念だったようです。


日本も4年後に明治維新からちょうど150年後なので、sesquicentennialを見かける機会は増えるでしょう。



と、ここまで書いてきて、今年が何のイベントからsesquicentennialなのかを調べながら覚えたほうが、定着するような気もしてきました。




◇◆◇ 実験



試しにWikipedia
1864年 - Wikipediaを見てみたら、どうやら米国のネバダが州になって今年で150周年みたいですね。実際にsesquicentennialでググったら、2ページ目にネバダ州関連のページが出てきました。


一方で、北海道函館の五稜郭も150周年で五稜郭築造150年祭 * Goryokaku150 * 函館・北海道 / 函館の特別史跡、五稜郭の築造150年記念事業、「五稜郭築造150年祭」公式ホームページみたいなのやってるようですが、google
sesquicentennial site:http://goryokaku150.com
しても出てきませんね。タイトルもGoryokaku 150th anniversary festivalです。

公式サイトに英語ページが無いことからも国内向けのイベントだから、一般人が見て分かるほうの記法を採用したのかもしれません。


もう少し調査してみましょう。


Google Ngram Viewer
で見てみると、sesquicentennialは1820年代ごろに用例がチラッと現れてその後絶滅、1920-40年代に急増してその後落ち着く、後は波打っているという言語状況のようです。

試しに下の「1800-1925」をポチッとしてみるとBrown Universityが1914年にsesquicentennialを使ってるようですね。そうもちろん、大学の設立は1764年です。
ブラウン大学 - Wikipedia



ページを戻って次に「1995-2000」をポチりましょう。
Eastern Michigan UniversityとかThe University of Mississippi*1が1999年にsesquicentennial historyとかを書いてるみたいですね。



これらの大学の設立年は?



そうもちろん1999 - 150 1849 ...


…ではないんですね。Wikipediaを見るに
Eastern Michigan University - Wikipedia, the free encyclopediaはその通り1849年なのですが、
ミシシッピ大学 - Wikipediaはその前年の1848年が設立年のようです。150周年記念の本が1年後に出されたということでしょう。編集者の苦労、150周年という長さの重み、最高学府に秘められた個々のエピソード、何を妄想しても構いませんのでとにかくnが2回重なるということだけは覚えましょう。



何より着目すべきは、sesquicentenialのようにnを一つでGoogle Ngram Viewerで検索した場合、結果が出てこないことです。
https://books.google.com/ngrams/graph?content=sesquicentenial&case_insensitive=on&year_start=1800&year_end=2000&corpus=15&smoothing=3

「たかがnを重ねるか重ねないかぐらい」と侮ること無く、sesquicentennialの使用者が100何十年間ずっとnを重ね続けてきた事実の重みを受け止めるべきではないでしょうか。




◇◆◇ まとめ

  • sesquicentennialはnが2つ重なる
  • 大学や人物の150周年記念に使われる
  • 日本だと正直150th anniversary festivalって書いたほうが分かりやすい

ということですね。
何度もタイピングしたしググって次の検索結果を表示しています:で直されたのでもうスペルも覚えました。

今日だけで一生分のsesquicentennialについて考えた気がします。

*1:こいつもsesquicentennialに負けずsが2回が2回、pが2回が1回出てくるスペルミスしやすい単語ですね